特別研修会 「土を健康にする土づくりとは?」を開催しました

9月27日に開催いたしました特別研修会では、『土 地球最後のナゾ』や『土と生命の46億年史』などの著作を通じて広く一般にも知られる、農学博士・藤井一至先生(福島国際研究教育機構、土壌ホメオスタシス研究ユニット ユニットリーダー)を講師にお迎えしました。藤井先生は、カナダ極北の永久凍土からインドネシアの熱帯雨林まで世界各地の土を調査されてきたご経験をもとに、土と生命の歴史やその共進化、さらには現代農業が直面する課題について多角的にご解説くださいました。

ご講演では、まず「土の健康とは何か」という根源的な問いを出発点に、世界各地の土壌の特徴と日本の土の性質・肥沃度、さらには劣化の問題について紹介。病害や施肥、栽培法の違い、不耕起栽培の意義と限界、そして田んぼが持つ特殊性と優位性についても触れられました。また、技術革新の行方や社会問題・世界情勢との関連にも及び、土を取り巻くダイナミックな変化を総合的に捉える視点を示していただきました。

質疑応答では、参加者から日頃の農作業や研究活動で抱える疑問が数多く寄せられ、藤井先生には一つひとつ丁寧にお答えいただきました。予定時間を超える活発なやりとりとなり、参加者の皆さまにとって実践や思考を深める大きな学びの機会となりました。

今回の特別研修会は、会員が最新の知見に触れ、日々の活動に活かしていくための一助となるものであり、今後の学習や交流にもつながる有意義な時間となりました。

藤井先生にはご多忙の中、貴重なご講演を賜り、心より御礼申し上げます。